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Since May 2009.ハワイ島留学時代から現在まで、つれづれに綴っています。


by 華(レフア)邸
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映画『パリ、テキサス』感想 ネタばれ 1984 ヴィム・ヴェンダース



一応 アメリカです。 ハワイ島キラウエア。
映画『パリ、テキサス』感想 ネタばれ  1984 ヴィム・ヴェンダース_f0247600_21094326.jpg







⬆︎で 私の生涯の映画 ベスト1だと 書きました。

書いたら見たくなってしまって借りて来ました。
今回も見て やっぱり、ベスト1。
冒頭から、映像も セリフ一言一言も 間も ライ・クーダーの音楽も もちろん俳優さんたちも全て。
2時間少しある映画ですが、全く 退屈せず 時間も早かった。
あくまで 私にとって と念を押しますが。なにせ マイナーで私の周りで知っている人は皆無。
映画ファンでは かなり有名な監督ですし、映画なんですが。



この映画の最初 トラヴィスは 赤い帽子をかぶって 砂ぼこりにまみれたスーツを着て、1人 砂漠を歩いているんですね。
ものも言わず、ただ 砂漠を歩く、決して年は若くないだろうと思われる男。

その男の弟が 4年も行方不明でてっきり死んでしまったと思っていた 兄トラヴィスを迎えに テキサスまで来る。
でも、やはり トラヴィスは 口を聞かないんです。記憶も部分的になくしていて。
そして 何日かたち、やっと口にした言葉が、「パリ。」でした。
自分が 買った 土地の写真を手にして。「パリだ。テキサスの」。

そこには、たくさんの 夢があったんですね。
いつか 家族で住もうと思っていた。

トラヴィスは、その後 4年会っていなかった 自分の息子に会うんです。
8歳になっている 息子 ハンターは 最初こそかなり 戸惑いがあったものの、トラヴィスをお父さんとして 認め、慕うようになる。
別れたのが 4歳ですから なんとなくは覚えているんだと思います。
今のおじさんおばさんは大好きだけど、やっぱり 8ミリで見た 自分の本当のお母さんジェーンに 会いたいと。

8ミリをみんなで見るシーンがあるんですね。
ハンターはまだ 3歳くらいでとってもかわいく、トラヴィスもふつうに笑っている。
そして、初めて 出る 若い母ジェーンが 出て来ます。
海辺のシーンなんですが、それはもう みんなが 幸せそうで幸せそうで。
そこで 私 まず 涙が。
だって、こんなにも 幸せそうなのに 一体 なぜ悲しいことになってしまったんだと。
何かが起こったことなんて 全く信じられないくらい 幸せそうなんですよ。


昼間、トラヴィスは 雑誌を見ながら、
「父親像を探しているんだ。」と家政婦に言うシーンもあります。
それを聞いた 家政婦は 意気揚々と トラヴィスに スーツを着せて 帽子を被らせて
「ほら、父親は 威厳を持って もっと 胸を張って!」
と 父親らしく 見えるよう、お手伝いしたりして。

ああ、トラヴィスは 何も言わないけど 父親として 認めてもらいたいんだなと微笑ましく思いました。

少しの葛藤はあったものの、ハンターは トラヴィスを父として認めるようになり2人で 母 ジェーンを探す旅に出る。

父子2人が、それは 仲良しで 見ていて 微笑ましいんです。
トラヴィスはちゃんと お父さんできている。そして、ハンターを
心から慈しんでいるのが手に取るようにわかります。

さて、ジェーンが 送金している 銀行を頼りに 2人は ヒューストンへ
行きます。
そして、無事 ジェーンが 勤めているところを突き止めるのですが。

ここからは、なぜ 2人が別れてしまったかということが 初めて明らかになります。
さいしょは トラヴィスの独白で。ジェーンは、途中から 自分のことだと気づき、涙します。

ここがですね。
本当に何回見ても 涙なしに見られないんです。私。何でしょうかねえ。

彼の長い告白を聞いていると、どれだけ トラヴィスが 彼女を愛して
いたか、愛しすぎるほど愛していたかが いたいほどわかって。
そして、ジェーンの方も どれだけ トラヴィスを大事に思っていたか
わかって。

でも 聞いていると、ああ 2人は やはり 元には戻れないんだなともわかってしまって。

最後は、ジェーンは ハンターともう一度暮らすことになるのですが、トラヴィスはまた 旅に出ます。

出るのですが、ハンターへ宛てたボイスレターで 彼は
「この恐れと戦わないのがもっとこわいことだから。」
と言っているので もしかしたらもう一度 きちんと克服できたら
ふらっと 彼らの元に帰ってくるのかもしれないなと。

でも、ダメおやじですから 結局は 帰らないかもしれませんが。


ハンターは 8歳なのですが、どこまでもできた息子です。
ダメおやじとダメかあちゃんでも ちゃんと 自分の両親だと、大好きだと思っている。
正直言って、弟夫婦に育てられている方が よっぽど 普通なんですが。
まあ、そこは 映画なので 置いておきます。

それに、ダメおやじもダメかあちゃんも 息子への愛が半端ないのは
事実なんです。
そして 4年前のことを心から悔いているのも 事実。
トラヴィスは 記憶を失うほど 悔いて、それほど この2人を想っていたでしょうし、ジェーンは成長した写真が見たくなくなるほど、息子を
手放したことを後悔していました。
なんにせよ ハンターは ダメな父ちゃんだと思いながら 許していくんだろうなと。


最後の結末ですが、過去 若いときに見たときは ハッピーエンドではないと思っていたんです。
だって トラヴィスは 一緒に暮らすことになりませんし。

でも 実際のところ、4年前に トラヴィスが 逃げ出した時と違って、
ジェーンやハンターと絆みたいなものを感じることはできたと
思うんですね。
一緒に暮らすのはこわいけれど、 「家族だと 信じられる」。

だから これは ハッピーエンドなのかもしれないなと。

とにかく この2人の 不器用で 純粋な愛と 家族の不思議な絆の
この映画を 私はまた 見て 涙するんだろうなと 確信した 今回の鑑賞
だったのでした。










by lehuahousehawaii | 2017-09-29 09:00 | 映画・本・ドラマ